アクティブディーラーシップの創造
「アクティブディーラーシップ」という新しいビジネスモデルは、私の父と祖父の介護経験と阪神淡路大震災の被災経験から導き出されたものです。私が23歳のとき、50歳の父が倒れ、以降22年間にも及ぶ介護生活が始まりました。その間、父だけでなく祖父の介護も重なった時期には、2人の介護と会社経営の両立を続けながら、2時間程度しか睡眠時間が取れない日もあり、そうした生活の中で最も恐れたのは、自分自身が倒れてしまう、ということでした。もし自分が倒れたら、父と祖父だけでなく、家庭が崩壊し、会社経営もままならない、という最悪の事態を招いてしまう、と考えた私は、こうした環境を乗り切るために、ある考えへと辿り着きました。
この資本主義社会において、収入を得る手段には3つの方法があると私は考えていました。それは「自力」「他力」「物力」です。「自力」とは自分自身の時間と労力を用いて収入を得る方法を指し、「他力」とは、経営者が従業員を雇用、あるいは協力会社と協業するような、自分以外の人の時間と労力を用いて収入を得る方法を指します。そして、「物力」は「自力」と「他力」で得た収入を、資金が資金を生む(株式投資など)というように、お金あるいは物を使うことによってさらに大きな収入を得る方法を指します。
資本主義社会における
収入を得る3つの方法



私は、介護経験から「自力」を最小限にすることで自分自身の健康を第一とし、「他力」を最大限にすることでリスク分散と効率化を図り、「物力」を最大効率で活かす、という、ビジネスのバランスを考え、実行に移し、介護と経営の両立という環境を乗り越えました。
しかし、介護と会社経営の両立を図っていた中、阪神淡路大震災が起こりました。積み上げてきたものが一瞬にして崩れ落ちる様を目の当たりにし、友人や知人もその例外ではなく、会社をたたむ経営者仲間も大勢いました。幸いにも私は、国内外に法人を保有していたことから、災害発生から早期に事業の立て直しを図ることができ、自分の家族だけでなく、社員とその家族も守ることができたのです。この被災経験によって、前述の「自力」と「他力」のバランスを取るという考え方が自分だけのものではなく、あらゆる人にとって必要な考え方であると思うようになりました。そして、いつ何が起こるかわからない現代社会において、自身や家族の病気だけでなく、天変地異などの外部環境の変化にも対応できる働き方がこれからの社会に必要となり、その働き方が多くの人に求められるようになる、と確信しました。
そこで考えたのが、どのような環境に置かれていても「自力」と「他力」を生み出し、使うことができるビジネスモデル「アクティブディーラーシップ」です。私は、様々なビジネスを複合的に組み合わせることで、誰もが「自力」と「他力」のバランスを選択でき、それぞれが自身の置かれた状況によって最適なバランスをとることができるビジネスモデルを創り上げました。「アクティブディーラーシップ」は、様々な方がお持ちの得意分野を活かし、多くの方と出会いを生み出すためのビジネスです。誰もが使う日用品や食品の販売を行う「PRビジネス」や有料教室数日本一のスマートフォン&タブレット教室の運営を行う「カルチャービジネス」などをきっかけとして、代理店を募集し、「他力」を生み出し、活かすことにつなげる「マーケットビジネス」を組み合わせた新しいビジネスのカタチです。この「アクティブディーラーシップ」の創造の根源には、私のこれまでの経験と想いが込められています。
ベネシードディーラーは、まずは最大限の「自力」によって、社会や自身にあったビジネスを展開していきながら、同時に「他力」を使える環境を構築し、「自力」を最小限にも、最大限にも使うことができるようになり、継続的で安定した収入を得ることが可能となります。そして、それらによって得られた収入を、未来貢献の旗印の下、想いを同じくするディーラー各社との数の力を用いることで、「物力」として最大効率で活かすことができます。
「自力」「他力」「物力」は、それぞれの置かれた環境によって、最適なバランスが異なります。
「アクティブディーラーシップ」は、どのような業種、業態、規模、事業フェーズの企業経営者や個人事業主であっても、また、副業や起業を考えている個人の方でも活用いただける大きな可能性を持ったビジネスモデルです。独立を目指すサラリーマンの方、先祖代々と引き継いできた企業の経営者、または専業主婦の方など、それぞれが持つ資金や時間、仲間が違っても、それぞれの方に応じてオーダーメイドされた、あなただけのビジネススタイルを作り上げることが可能です。さらに、置かれた環境の変化にも対応できる柔軟性と拡張性を併せ持った、それぞれが選択できるビジネスモデルでもあります。


このアクティブディーラーシップは、私自身の困難な環境を乗り越えるという一つの目的から生み出されました。そしてそれは、あらゆる環境に置かれた方々に広めることによって、人が支えあう社会づくりに役立てていただき、多くのディーラーとともに素晴らしい未来を目指したいと願っております。ぜひ、このアクティブディーラーシップを、それぞれの事業のひとつとして、また、起業に活かしていただき、それぞれの目的や目標のために使ってください。
株式会社ベネシード
代表取締役 片山 源治郎
代表プロフィール
株式会社ベネシードを2013年10月に設立、翌年4月開業。ベネシードをはじめ、医療・健康、地方再生、システム開発、エンターテインメント、金融など多岐にわたる事業領域にて、国内外に数十社の企業を設立し「人が支え合う社会」の実現を目指して様々な事業を展開。また、数万社の企業を創出した実績をもとに、2019年より東京富士大学経営学部 客員教授として、学問と実業の融合を探求し、未来を背負う学生の育成にも力を入れている。2021年、紺綬褒章受章。
●その他設立企業
株式会社ジャスビコ/株式会社日本食品薬化/株式会社デジタル・スタンダード 等数十社
●主な現兼職
一般社団法人社会実学研究所 理事長/株式会社国際危機管理機構特別顧問/東京富士大学経営学部 客員教授/国際ブラックカラント協会(IBA) 生涯名誉会員
●著書
『「今、ここ」を生きる』(方丈社)